吐息が愛を教えてくれました
どうだ、とでもいうような満足げな顔が目の前にある。
大きく息を吐いているのはきっと、千早も緊張していたのかもしれないな。
これまで自分の気持ちをここまで露わに見せてくれたことなんてなかったんだから、千早にとっても一世一代の告白に違いない。
「私のこと、本気で好きになってくれるなんて思ってなかったから、いつもつらかったし、寂しかった。
とっくにいいオトナなのに、何も言えなくて、いつも千早にごめんなさいって、心で呟いてばかりだった」
目の奥が熱くなる。
言葉も震えている。
ぎゅっと私の手を握ってくれる千早の手は、そんな私を包み込むように温かくて、ほっとする。