吐息が愛を教えてくれました
『せっかく来てくれたけど、俺らこれからゼミの打ち上げなんだ。
この一週間泊まりで実験していて、ようやく今朝終了。仮眠して今から一週間分の食事と酒を補給。
ろくな食事とってなかったから、ちょっと痩せただろ?』
ははっと笑う顔は少しシャープになっていて、確かに体のラインも細くなったように見えた。
私も一週間仕事が忙しくてなかなか連絡できなかったけれど、それでも千早に食事の差し入れくらいしたのに。
そう言った私の言葉に返事をしたのは、千早の隣のかわいい女の子。
『あ、大丈夫です。同じ学部で色々知っている私があれこれ差し入れしてお世話してたんで、大丈夫です。
今日もこれから一緒に飲みに行くんですよ。学生は学生同士、時間も合うんで、心配しないでください』
あ、そうなんだ……この、かわいい彼女が、お世話してたんだ。
一週間、学生は学生同士、仲良くやってたんだね。
私が気にかける必要もなかったってことか。
『実里も、仕事忙しいだろ?邪魔しちゃ悪いって思って、こいつに頼ってたんだ。あ、週末部屋に行くから待ってて』
『えーっ、千早くん、週末は教授に頼まれたデータの確認作業があるんじゃないですか?』
『あ、そうだったな、でも、そんなに長くかかるわけじゃなさそうだし』
『いえ、結構な量が残ってるんで、私、差し入れに行きます。
千早くんが大好きなツナサンド、たくさん作って行きますね』