アイドルな王子様
「ほんとにすみません…折角のご旅行を台なしにしてしまって…」


 私は心から申し訳ないと思い、深々と頭を下げた。


「別にいいよ、気にしなくて。予定のない一人旅だから」

「あっ私もおんなじ…」


 つい親しみが湧いて、勢いよく顔を上げてびっくりした。


 彼が、あまりにも優しく微笑んでいたから。





.
< 31 / 77 >

この作品をシェア

pagetop