アイドルな王子様
「なに勝手にヒトを肴にしてんだよ」
むっとした表情で聖夜さんがカンジさんを睨む。
「おまえが美女連れて二人で来たって、なかでうちの奴らが騒いでるよ。んで、めでたいってんでこの料理の数々だ」
「俺たちで遊んでやがんな?」
「とんでもない。本気で喜んでんだぜ」
カンジさんは、ケーキとアイスクリームが山盛りにされたお皿を私たちの前にそれぞれ置き、そして聖夜さんの隣にどすんと座った。
「いつも野郎の集団としかこない聖夜が、こんな可愛い女の子をうちに連れてきたとなっちゃあ、祝わずにはいられないよな」
「いや、深い意味は…」
「フラフラしまくりの聖夜も、やっと腹決めたかって俺は嬉しくて。あっほら食べなよ。アイス溶けるぞ」
「はっはい、いただきます」
慌ててアイスの山を切り崩す。
「おまえなぁ…ヒトの話はちゃんと聞け」
「ああ? ってかこの娘、聖夜の好みど真ん中、ストライクだろ?」
「ストライクてお前…」
聖夜さんは真っ赤になって口をぱくぱくさせている。
「俺にはお見通しだぜ。長い付き合いだからな。もたもたしてねーでここらでオトコを見せろよ?」
「あ? なに云って」
「結婚祝いは何が良い?」
聖夜さんはカンジさんをきっと睨む。
そんなことお構いなしで、カンジさんは聖夜さんのデザートをつつきだした。
ふたりのやり取りが楽しくて、私はケーキを頬張りつつ、甘い気分に浸っていた。
この甘いシアワセは美味しいケーキの所為なのか。
それとも、彼が傍にいるからなのか…。
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むっとした表情で聖夜さんがカンジさんを睨む。
「おまえが美女連れて二人で来たって、なかでうちの奴らが騒いでるよ。んで、めでたいってんでこの料理の数々だ」
「俺たちで遊んでやがんな?」
「とんでもない。本気で喜んでんだぜ」
カンジさんは、ケーキとアイスクリームが山盛りにされたお皿を私たちの前にそれぞれ置き、そして聖夜さんの隣にどすんと座った。
「いつも野郎の集団としかこない聖夜が、こんな可愛い女の子をうちに連れてきたとなっちゃあ、祝わずにはいられないよな」
「いや、深い意味は…」
「フラフラしまくりの聖夜も、やっと腹決めたかって俺は嬉しくて。あっほら食べなよ。アイス溶けるぞ」
「はっはい、いただきます」
慌ててアイスの山を切り崩す。
「おまえなぁ…ヒトの話はちゃんと聞け」
「ああ? ってかこの娘、聖夜の好みど真ん中、ストライクだろ?」
「ストライクてお前…」
聖夜さんは真っ赤になって口をぱくぱくさせている。
「俺にはお見通しだぜ。長い付き合いだからな。もたもたしてねーでここらでオトコを見せろよ?」
「あ? なに云って」
「結婚祝いは何が良い?」
聖夜さんはカンジさんをきっと睨む。
そんなことお構いなしで、カンジさんは聖夜さんのデザートをつつきだした。
ふたりのやり取りが楽しくて、私はケーキを頬張りつつ、甘い気分に浸っていた。
この甘いシアワセは美味しいケーキの所為なのか。
それとも、彼が傍にいるからなのか…。
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