アイドルな王子様
「さあて。お腹も満たされたことだし、そろそろ帰ろうか」
そう云って、聖夜さんは軽く伸びをした。
ほっそりとした外見とは想像もつかない程によく食べる彼でも、流石にこのお料理の数々は食べきれず、結構お残ししちゃってる。
聖夜さんが奥にいた店員さんに小さく会釈をすると、彼女はすぐさまこちらへと急ぎ足でやってきた。
長身で、隙なくお化粧をした華やかな女性だった。
「お待たせいたしました」
聖夜さんを真っ直ぐに見つめて、えくぼを刻んで彼女が微笑む。
いやいや。おまたせされていないですよ?
「ごめん。折角作って貰ったけど、お腹いっぱいになっちゃった」
「はい、ではお包みいたしますね?」
「ありがとう。ごめんね」
「うちのスタッフが出しすぎなんですよぉ。聖夜さんがいらっしゃると皆張り切っちゃって。.....今日は特に」
そう云って、彼女はちらっと私に視線を送った。
.....なんか。私、この女性に歓迎されていない?
挑戦的な眼差しのような気がするんですけど?
「ああ。彼女、つきこちゃんって云うんだ。可愛いでしょ? また連れてくるかも知れないから、以後お見知り置きを」
瞬間、彼女の目は明らかに敵意の色をさっと映し、私に壮絶な笑顔を向けた。
ひえええ。目が笑ってないってば!
「ほんと。お人形さんみたいに可愛い方ですね」
「でしょ。可愛いくて、天然に抜けてて面白い」
「ぬっ抜けててって」
確かに迷惑は掛けてるけどっ。
「見てて飽きないところが『お人形さん』だよな」
瞬間、聖夜さんの右手が伸び、私の右頬を手の甲でゆっくりとなぞった。
彼の神経質そうな指先が私の口唇をそっと掠めていく。
切れ長の大きな瞳が甘く、誘うように揺らめいている。
な。
なにごとっ!?
.
そう云って、聖夜さんは軽く伸びをした。
ほっそりとした外見とは想像もつかない程によく食べる彼でも、流石にこのお料理の数々は食べきれず、結構お残ししちゃってる。
聖夜さんが奥にいた店員さんに小さく会釈をすると、彼女はすぐさまこちらへと急ぎ足でやってきた。
長身で、隙なくお化粧をした華やかな女性だった。
「お待たせいたしました」
聖夜さんを真っ直ぐに見つめて、えくぼを刻んで彼女が微笑む。
いやいや。おまたせされていないですよ?
「ごめん。折角作って貰ったけど、お腹いっぱいになっちゃった」
「はい、ではお包みいたしますね?」
「ありがとう。ごめんね」
「うちのスタッフが出しすぎなんですよぉ。聖夜さんがいらっしゃると皆張り切っちゃって。.....今日は特に」
そう云って、彼女はちらっと私に視線を送った。
.....なんか。私、この女性に歓迎されていない?
挑戦的な眼差しのような気がするんですけど?
「ああ。彼女、つきこちゃんって云うんだ。可愛いでしょ? また連れてくるかも知れないから、以後お見知り置きを」
瞬間、彼女の目は明らかに敵意の色をさっと映し、私に壮絶な笑顔を向けた。
ひえええ。目が笑ってないってば!
「ほんと。お人形さんみたいに可愛い方ですね」
「でしょ。可愛いくて、天然に抜けてて面白い」
「ぬっ抜けててって」
確かに迷惑は掛けてるけどっ。
「見てて飽きないところが『お人形さん』だよな」
瞬間、聖夜さんの右手が伸び、私の右頬を手の甲でゆっくりとなぞった。
彼の神経質そうな指先が私の口唇をそっと掠めていく。
切れ長の大きな瞳が甘く、誘うように揺らめいている。
な。
なにごとっ!?
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