世界の終わりに隣に君がいてくれたらそれだけでいい…
 私は確実に年を取ってるんだってのを思い知らされたような気がした・・・。

 隣でブランコをこぐレイがやけに眩しすぎて自分がもう若くないって事とか家庭があって冷えきった関係だとしても一応、既婚者である自分の立場をいきなりフラッシュバックしたような気がして、現実に引き戻された私は自分が恥ずかしくなった・・・。

「レイ、私は若くもないし・・・、夫もいて、つまんないおばさんだよ。

 あなたにはあなたに似合う可愛い女の子がいいよ・・・。

 私なんてダメだよ。

 彼女とか見つけたらいいよ。

 レイならすぐ見つかるよ・・・。

 だから私たち、お友だちでいましょう・・・。」

 私は精一杯自分の理性を震い立たせ、モラルと言う越えれない壁みたいなものの存在を頭に何度もイメージした。
 
 そうでもしないと私が守れないと思ったから・・・。

 レイはブランコをこぐのを止めると私を見つめたまましばらく静止した。

「じゃあ、俺に言った言葉は嘘だったんすか?

 俺だけには味方でいて欲しいっていいましたよね?

 あれって嘘だったんすか?

 俺は死ぬまであなたの味方だって言いましたよね?

 それって、俺をからかったって事ですか?」

 胸が痛い・・・。

「俺は本気で思ったんですよ。

 世界中から見捨てられても俺はあなたがいたらそれでいいし、隣にあなたがいてくれたらそれだけでいいって。

 なんでいきなり変わるんすか?」

 私は言葉につまった。

「ニャーーん。」

 クラウディオがレイの足元でじゃれる いとおしそうにクラウディオの頭をなでるレイ。

 私はなんて悪魔なんだろう・・・。

 でもこのまま進んだらこの子の未来が私のせいで壊れる・・・。

 そんなのいいわけがない。

「あのね、私、好きな人がいるの・・・。

 えっ?

 夫じゃないわよ。

 違うから。

 その好きな人しか見えないの・・・。」
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