世界の終わりに隣に君がいてくれたらそれだけでいい…
 レイはブランコから立ち上がると私に向かって、

「わかりました。

 俺みたいなガキが図々しい事言っちゃってすみませんでしたっ!

 あなたの言う通り彼女作ります。

 もうここには来ません。

 あなたを困らせなくないから・・・。

 でも俺は本気であなたの事が好きでした。

 今も好きです・・・。

 けど諦めます。

 あなたを苦しめたくないから・・・。

 さよなら・・・。

 じゃあなクラウディオ、元気でなっ。」

 レイは振り返る事なく自転車に乗ると去って行った。

「ニャーー。」

 クラウディオが私の膝に飛び乗った。

 行っちゃった・・・。

 終わっちゃった・・・。

 これでいいんだよね・・・。

 仕方ないもの・・・。

 ひとりぼっちになっちゃった・・・。

 しょうがないよね・・・。

 私はクラウディオをギュッて抱き締める。

 何故だろう・・・。

 勝手に涙が溢れて止まらない・・・。

 クラウディオ

 クラウディオ

 私はどうする事も出来ない現実に戸惑い結局、そのまま進む事を拒絶した。

 本当の気持ちを胸のずっと奥のパンドラの箱にしまうしかない・・・。

 だって許されるわけがないから・・・。

 先に進んだら私は罰が当たるだろう。

 そんな事よりもレイが辛い目にあうのが目に見えてる。

 レイ・・・。

 もう、あなたはきっと私の前には現れないよね・・・。

 少年の危うく冷たい目には何が見えたのだろうか・・・。

 世界が滅んでしまえばいいとか大人になるのが嫌だとなんてのは思春期の時期によくある事なんじゃないかって気もするけど・・・。

 なぜか切なくてならない。

 レイの存在が自分の知らない間に大きなものになってる事に私はまだきずいていなかった・・・。

 そう・・・、

 私にとってレイはもうなくてはならない存在になってしまっていた・・・。

 世界の終わりに隣に・・・・。


・・・・・つづく・・・・・
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