世界の終わりに隣に君がいてくれたらそれだけでいい…
 柔らかくて男の子の匂いがする唇が重なる。

 私はそのまま目を閉じてた。

 そしてレイの唇が離れると、私も目を開けた。

 レイは微笑みながら私を見た。

「やっぱ、俺、あなたが好きです。

 それにあなたも俺が好きです。」

 私はかっとなる。

 多分、顔が真っ赤になってるかもしれないと思うと、ますます火照る。

 恥ずかしくてまともにレイの顔が見れない。

 こんな若い男の子に翻弄されるなんて・・・。

「俺、しばらく来なかったでしょ?

 実は俺、彼女作ったんすよ。

 あなたに言われたとおりに、適当にコクってきてた女にOKして、デートしました。

 相手の女が俺とやりたい事を言ってきたんで、デートして映画見て帰りにキスしてみたいな・・・、でおしまい。

 最初に女に言ったんす。

 一日だけのカレカノだって、キスしたら条件のむって約束してくれたんで、一秒だけキスしてバイバイしました。

 あなたが彼女作れって言うから、作ってみたけど、やっぱ無理でした。

 俺、好きでもない奴とキスとかしたくないし、それ以上もあり得ないんで、俺、あなたがいいんです。

 しつこいかもしんないけど、あなたに彼女になってもらいたいんです。

 すいません。

 俺、やっぱ諦めたくないんです。」

 私は涙が止まらなかった。

 そして、私は、

「うん、わかった・・・。

 そうする・・・。

 私みたいなのでよければ、彼女にして・・・、 ごめんね。」

 私はレイの肩にもたれた。

「謝るのは俺の方です。

 でも俺、本気っすから。

 何があってもあなたから絶対に離れません。」

 夕日はすでに沈み辺りはまっくらになっていた。

「お願いします。

 あなたを抱かせて下さい。」

 私にこれ以上、理性とかモラルとかいうブレーキで止めるなんて事は不可能だった。

 私とレイはこの日、ひとつになった。

 祖母が昨日からたまたま家を留守にしていて、私はレイを部屋に入れた。

 初めて家に入れた。

 レイの体はまだ少年でとても華奢で折れそうで壊れそう。

 私はそっと彼に触れる・・・。
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