世界の終わりに隣に君がいてくれたらそれだけでいい…
 汗をかいた額を手で拭うレイは、

「そうかなあ・・・、よくわかりません。」

 そう言ってまた激しく抱きついてきた。

 私はレイの柔らかい髪を手でまさぐり、何度も声をあげる。

「瑠風さん気持ちいい。」

 私は目を閉じたまま、

「恥ずかしい事聞かないで・・・。

 大好きよレイ・・・。

 死ぬほど愛してる。

 どこにも行かないで・・・。」

って言った。

「絶対に離さないっ!」

 レイは私を狂わせる。

 私はレイに狂わされる。

 もしかしたら女の本当の喜びを知ったのはこの子がはじめてなのかもしれないって思った。

 夫との単調な性生活は私にとって苦痛でしかなく、ただ時間が過ぎ去ればいいって感じで、そこには愛しさとか高揚感なんかまったくなかったし、ここ数年はお互いにそうゆう行為自体が気持ち悪くなり、まったく夫婦生活はなかった。

 次第に無関心になり、相手がどこで何をしてても興味されなくなり、いわゆるセックスレスの関係になっていた・・・。

 私からも夫からもそうゆう関係にだんだん疑問さえ持たなくなり、いつしか覚めきった夫婦関係になって行った。

 たまに女としてみてもらえない寂しさを感じる事もあったけど、だんだんそんなセンチメンタルな感情さえも遠退き、私は潤いのないつまらない女になってしまっていたに違いない。

 夫からしてもそんな女を抱く意味などないだろうし・・・。

 私達、夫婦は完全に終わった。

 レイが激しく求める度に私はすべてを受け入れた。

 気が遠くなっていく感覚・・・。

 心地いい脱力感。

 私の中で何かがはじけてた。

 長い間、封印してた何かがはじけてた。

 私は女の喜びを思い出したのかもしれない・・・。

 まだ15歳の少年に。

 呼び覚まされた感情・・・。

 私は罪人なのだろうか・・・。

 私はレイを愛してる。

 レイ・・・。

 レイ・・・。

 何度も何度も名前を呼んだ。

 その度に強く抱かれた。

 私はずっとレイといたい・・・。

 レイがよく言う。

 人類滅亡の夢・・・。

 それでもいい・・・。

 世界が終わるその時にレイがそばにいたらそれでいい・・・。
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