世界の終わりに隣に君がいてくれたらそれだけでいい…
「いつも寂しい思いをさせて悪いと思ってる。

「だから、久しぶりに休みを取ったんだ。

 とにかく土曜日の夜に来るから、また来る時は連絡入れるよ。

 それじゃあ、リハビリがんばって。

 またな・・・。」

と、電話が切れた。

 別に来なくていいのに・・・。

 私は心の底からそう思った。

 今日は水曜日だから、明後日に夫が来る。

 あたしは風呂のお湯を回しながらため息をついた。

 私の中にはもう完全に居場所などない夫の存在は正直どうでもいい・・・。

 服を脱ぎ、お湯に浸かりながら身体を撫でる。

 もう若くない身体・・・。

 なんだか落ち込みそうになった。

 こんな身体を見られるなんて今さらだけど恥ずかしい・・・。

 私は、静かに目を閉じたまま、レイの顔を思い浮かべる。

 張りのある肌・・・。

 線の細い身体のライン。

 私の胸は急に熱くなる。

 レイを抱きたい・・・。

 風呂から上がると鏡に向かってつぶやいた。

「ねぇ・・・、私は間違ってないよね?」

 鏡に写る私は、後ろめたさも後悔も何もない顔をしてた。

 私は絶対に間違ってない・・・。

 化粧水を叩いて、そのままベットに潜り込んだ。

 不思議と最近ぐっすり眠れる。

 夜中に突然目をさます事もなくなってた。

 精神的に安定してるように感じてた。

 前まで睡眠薬を手離せない私が、今では普通に眠れるようになるなんて・・・。

 私は、やはり凄く単純な人間なのかもしれない・・・。

 それともホルモンバランスが安定してるのかな・・・。

 なんて思ってみたりしてた。

 女の身体はそうゆう事に非常に敏感に出来てると思う・・・。

 ずっと夫とはセックスレスな関係で、なんとなくイライラしたり、ヒステリックになったりしてたから。

 そんな事を言ったら保守的な人達からすれば、私はただの淫乱な女で、欲求不満な暇な主婦として異端なカテゴリーに入れられてしまうだろうけど、実際、そうゆう事って凄く大事な事だから。

 本当は夫婦でちゃんと話し合ったり、問題を解決する方向に進めたりするもんじゃないか?って思う。

 けど、なんとなくそうゆう話をする事自体タブーな感じだし、まして女の方からセックスが無くて不満を感じてるなんて言えるわけがない・・・。
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