世界の終わりに隣に君がいてくれたらそれだけでいい…
 結局、日本はまだ遅れてる・・・。

 開けてきてるようで遅れてる。

 私はそんな事とかを色々と考えてるうちに眠ってたらしい・・・。

 気がつくと朝になっていたから。

 朝食の仕度をして、祖母と朝食を取ると 祖母は町内の仲間と出掛けて行った。

「夕方には帰るよ・・・。」

 祖母は年の割りには若く見える人で活動的だった。

 じっとしてるのが苦手なので色んな集まりとかに参加する。

「いってらっしゃい。

 私は玄関まで祖母を見送ると、洗い物を済ませ、洗濯物を干しにかかった。

「ニャーー、ニャーー。」

 クラウディオが足元に絡み付く。

「クラウディオ、今日はお天気よくて気持ちいいね・・・。」

「ニャーー、ニャーー。」

 クラウディオの鳴き声が大きくなった。

「クラウディオ・・・?」

「こんにちは・・・。」

 レイがいた。

 レイ・・・。

 私は思わずレイに抱きつく。

「瑠風さんっ・・・。」

 木々が揺れる。

 風かざわめく。

 潮風の匂いのする。

 レイの髪・・・。

 愛しくて狂いそうになる・・・。

「俺、今、海を見てたんですよね・・・。

 昨日、母さんとケンカして、なんかムシャクシャしちゃって、あなたに会いたくて 死にそうでした・・・。」

 レイが唇を重ねてきた。

 私達はそのまま倒れ込んだ。

「あの・・・、いいですか?

 俺、もう我慢とか無理っす。」

「あなたが欲しい・・・。

 レイ・・・。」

 私はレイのなすがままだった。

 眩しい太陽。

 飛行機雲がスッと勢いよく伸びていた。

 「誰かに見られたら・・・、どうするの?」

 私は吐息を漏らしながらレイの動きに合わせてた。

「誰かに見られたらいけないんですか?

 俺は好きな人を抱いてるだけで、悪いことなんて何もしてないですよ?」

 レイの息が荒くなる。

 私はもうダメだ・・・。

「もうダメ・・・。」

「瑠風さんもう気持ちよくなっちゃったんですか?

 俺を置去りにして。

 勝手に1人でいっちゃうなんて。

 許しませんから・・・。

 2人で一緒にいかないと意味がないっすよ?」

 誰かに見られたら・・・。

 私は、もう見られてもいいって気持ちになってた。

 私とレイは洗濯物の影で、愛し合った。
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