世界の終わりに隣に君がいてくれたらそれだけでいい…
 レイの冷たい体に触れる度に私の体温は熱くなる。

 何故だろう・・・。

 私達はもう許されない関係をとっくに越えてしまってる。

 そんなのどうだっていい・・・。

 何度も愛し合った私達はぐったりしたまま眠ってしまってた。

 辺りが明るくなるのを感じた私が先に目を覚まし、眠ってるレイに部屋から毛布を持ってきてそっと掛けた。

 レイの寝顔はまるで子供だ・・・。

 そうだよね・・・。

 レイはまだ15歳なんだった・・・。

 たまにそんな事すっかり忘れてしまう私。

 15歳の男の子とこんな関係になってしまうなんて。

 ついこの間まで想像もしてなかった・・・。

 後悔なんてひとつもないけど、私みたいな年の離れた女なんかより、もっと同世代の女の子と付き合ったりしたらこの子は笑えるんじゃないか・・・?

 なんて、ふと思ってしまう・・・。

 誰が見たって私とレイじゃ不自然だから・・・。

 誰も私達がそんな関係だなんて思うわけもないし、もしそれが世間に知れたら私はとんでもない女だって非難されるだろう・・・。

 きっと誰もが表情を曇らせるだろう・・・。

 誰にもわかってなんかもらえるわけがないだろうし・・・。

 私が良くてもレイの将来にダメージでしかない・・・。

 私はやっぱり身を引くべきではないか・・・、って思った。

 眠ってるレイの頬に触れてみる。

 柔らかい肌。

 すべすべの頬にめまいすら覚える・・・。

 レイ・・・。

 私は自分の部屋に戻った。

 夫にバレたらその時はその時に考えたらいい。

 夫の存在なんて関係ない・・・。

 私は静かに目を閉じた。

 しばらくして外の明るさに目が覚めた私は縁側に行って見ると、そこには誰もいなかった。

 毛布は綺麗にたたまれ、レイの姿は無かった。

 夫はまだ起きてはいない。

 レイに掛けた毛布にはレイの匂いがしてた・・・。

 若くて甘酸っぱい男の子の匂い・・・。

 私はその毛布を握りしめた。

 レイ・・・。

 何故だかわからないけど涙が止まらなくなる。

 私はレイを思って泣いていた・・・。

 そしてそのまま、また眠ってしまった・・・。
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