世界の終わりに隣に君がいてくれたらそれだけでいい…
 私は冷静にならなきゃいけないって、繰り返す。

 切なかった。

 何度も1人で泣いた。

 いつか別れが来るから、その時、辛くならない為にも冷静にならなきゃいけないって・・・。

 そして、やっぱり別れが来て・・・。

 バイバイになっちゃって・・・。

 偶然、レイが近くのコンビニから出てくるのを見た事があった。

 ちょっぴり茶髪になってて、カッコよくなってた。

 スリムだし、背も高くなってて大人っぽく見えた。

 けど、横顔がやっぱり幼くて、やっぱりまだ男の子なんだなって思った。

 駆け寄って話しかけたくなったけど止めた・・・。

 私はもう過去の人間。

 レイには彼女がいて、レイの日常がある 私とレイはもう終わったんだから・・・。

 バイバイ。

 私は遠くから見つめる事しか出来ない。

 でもね・・・、カッコ悪いけど私はまだ完全にレイを忘れる事が出来ずにいる。

 偶然、会う事もあるだろうし、いつか笑って話が出来たらいいなって思う。

 そんな日が来たらいいなって思う。

 エメラルドグリーンの石浜を1人で歩くのは嫌いじゃない。

 だって、私は少しだけ前を向いて生きようとしてるから・・・。

 世界の終わりに隣に君がいてくれたらそれだけでいい・・・。

 何回、そんな事を言ってたんだろう?

 そんなにも誰かにいて欲しいなんて人生で思ったりするなんて事もないと、私達はもうバイバイしたけど・・・。

 そんな気持ちにさせてくれたレイが今でも愛しくてたまらない・・・。

 そして、1年が過ぎて・・・、

 季節が巡って・・・、

 いつか、完全に私の記憶からレイが消えてしまったとしたら、

 その時、本当のさよならになるんだろう・・・。

 って思うと、なんだか切ない気もする。

 ありがとうレイ・・・。

 そう、私は無意識につぶやいてた。

 世界の終わりに隣に君がいてくれたらそれだけでいい・・・
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