世界の終わりに隣に君がいてくれたらそれだけでいい…
「ごめん・・・。

 責任は取るから・・・。

 そんな会話が毎日繰り返され、やっとさえ仕事の帰りが遅かった夫は家に帰る日もだんだんと無くなる事もあった。

 私の顔を見たくないんだ・・・。

 私に責められるのが嫌になったんだ・・・。

 そんな事わかってる。

 でも・・・、私だってそうでもしてないと、どこにぶつけたらいいのかわからない・・・。

 精神安定剤と睡眠薬の服用により、いつもぼっと虚ろな目をしてた私は、絶望と言うくらい闇に向かって自らを追い詰めるしかなかった・・・。

 毎日、突然悲しくなり涙が出たり、いきなり死にたくなる気持ちを押さえられなくなりドアノブにタオルを巻いて死のうとした事もあった。

 そんな毎日を過ごしてた私はいっそ誰かに殺してもらいたいとさえ思うようになっていた・・・。

 アパートでの生活は困難となり、私はしばらく実家に戻る事になった。

 実家には年老いた祖母がいて、

 私は祖母と二人暮らしを始めた。

 夫は週末にだけ顔を見せる。

 実家は海のすぐそばにあり、景色は綺麗で海の近くの神社に一人で歩いたりしてリハビリがてらに、ふと神社の境内に座ってぼんやり雲を見てたりした。

 青い空にぽっかり浮かぶ雲を見てたら、ほんの少しだけ穏やかな気持ちになれた。

 でも精神安定剤と睡眠薬は離せなかった。
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