世界の終わりに隣に君がいてくれたらそれだけでいい…
 私は、

「なんで?

 あなたなら可愛い彼女とかいるんじゃないの?

 何もこんな足の不自由なおばさんなんて相手にしなくたって・・・。」

 クラウディオが彼の膝に飛び移る。

「おばさんなんかじゃないっすよ!

 俺はあなたがいいんです!」

 これが彼との出会いだった・・・。

 これからお互いの狭い世界で依存していくなんて、この時の私は考えてもみなかった・・・。

 自分が夫以外の男の子に惹かれていくなんて事も、まったく思ってもみなかった・・・。

 人生なんて、あまりにもいい加減だ。

 ボタンをかけ違うように何かのタイミングであっと言う間に今まで信じていたものとか、当たり前の現実とかが音をたてて崩れ落ちるのだから・・・。

 私は人生の人生が崩れ落ちるなんてまったく考えてもみなかったのだから・・・。

 すべてはあの事故が私を変えてしまったのだろうか・・・。

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