砂時計
――――――――ギィィー
西日で顔がよく見えなかった。
でも、私には誰かわかった。
「・・・直人。」
気づけば私は彼の名前を呼んでいた。
それに気がついた彩菜は、
「あっ、じゃねぇ絵里香。
また明日~。」
彩菜は‘ごゆっくり”と言って
部室から出て行ってしまった。
私達に気を使ったのだろう。
ガシャンと大きな音をたててドアが閉まった。
私達は黙ったまま沈黙が続く。
そんな中私は勇気を振り絞って
声を出した。