砂時計



頭が虚になる。


私が道路に足を踏み入れようとしたとき


誰かに腕を引っ張られた。




「・・・な、直人」


私はだんだん目がかすんで
夢でも見ているんじゃないかと思った。


今までの事が夢だったらどれだけ幸せだろう。



「おい。起きろ!

絵里香、今何しようとしたんだよ。

こんなことしたら弘樹の立場はどうなるんだよ!!」



弘樹の立場!?


そうだ。

弘樹は私を守って

車とぶつかり事故になった。


それなのに私は自分から車に突っ込もうとした。


私、何やってるんだろ。



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