砂時計
「...。じゃあ、野球は...。」
私は恐る恐る聞いた。
「ええ。今のままじゃ手術しても
いつもどうりに野球ができるかどうか
分からないらしいの。
弘樹には心配掛けたくなかったから
何も言わなかった...。」
聞きたくなかった。
これだけは
聞きたくなかった。
野球ができない!??
それは、弘樹にとって
どれだけのものか分かっている。
そんなことを知った
彼はどうなるのだろう...。
私は弘樹のお母さんと別れ
弘樹のいる病室へと
足を進めた。