砂時計
「でもさ、事故ったって言っても
命には別状ないし!!
こんな足でも手術したらすぐ治るって!!
早く野球してー。」
弘樹はうれしそうにそう言った。
私はふと、弘樹のお母さんが
言っていたことを思い出した。
‘手術しても野球できるか分からない。”
私はそれを知っていながら
何も言うことができなかった。
言うと傷つくと思ったから。
それは、言い訳と分かっているけど...。
でも、後々真実に気づけば
弘樹はもっと傷つくだろう。
私は、覚悟を決めて
言おうと決意した。
「ねぇ。弘樹...」
そのとき、
誰かが病室に入ってきた。