砂時計
私は、耳を澄ませてやり取りを
聞いていた。
「何で言ってくれなかったんだよ。
大切なこと...どうして言わなかったんだって
聞いてんだよ!!!!」
すさまじい弘樹の怒鳴り声。
何で怒っているのか
このときわからなかった。
「心配させたくなかったの。
弘樹に心配させたくなったの!!」
弘樹のお母さんの声。
「だからってこのまま言わないつもりで
いたのかよ!?
‘手術しても野球ができない”
かもしれないなんて、
何で真っ先に俺に言わないんだ!!」
...え、なんで弘樹知ってるの...!?