そうだ、異世界へ行こう
ってか
「刹那なんかに“様”なんて付けなくて良いのに…」
『穂波ちゃんは本当に胸のうちを馬鹿正直に吐露するのが好きだね』
刹那が私に“ちゃん”を付けるときは
決まって良いことが起こったためしが無い
「すいません黙ってます」
『やめてよ黙ってる穂波とか気持ち悪い』
「きもっ…」
気持ち悪いだと!
…言い返せないけど
そんな風に「うー」と唸っている間に
またもや手を引っ張られて美男美女と同じテーブルに座らせられてしまった
『セツもついに結婚したのか
だから俺らに見せに来たわけね』
「けっ…ち、違います!まだそんな…」
『まぁいずれそうなるだろうから安心しとけ』
「はぁ!?刹那ちょっとあんたこそ黙りなさいよ!」
声を荒げる私を鼻で笑うと(ここ重要)
刹那はようやくこの人たちの説明をしてくれた
『こっちのエロそうなのがジンラ
今回俺が用事があった本来の相手
そしてこちらがローズ
ジンラの嫁でこの変わり者を婿養子に取ってった』
『お前のそれはからかっているようで本気だからたちが悪い』
ジンラさんが椅子にもたれかかるようにげんなりとする姿さえ様になっているように感じる
美形って得だな…
『だって本当だろうが
いちゃついた末に婚前交渉したくせn…いてっ』
『セツナ様、少々お口には注意を払った方がよろしいですよ』
うふふと笑うローズさんは絶対に只者じゃない
だって、そうじゃないとこんな簡単に刹那が黙る訳無いもん!
「ローズさん!いや、お姉様!」
『(お姉様…?)はい?』
「私に手綱を握る手ほどきを教えてください!」
『面白い子だな、お前の嫁さん』
『それ、イオンにも言われた』