そうだ、異世界へ行こう


そういえばさっきの人《私の妻の国》って言ってたよ~…

何故あそこで気付かなかった私!



『さーてと、本気でもうそろそろ帰ったほうがいいな
たぶん穂波のところの世界は一週間が経ってるだろうし』

「え!?一週間!?
嘘でしょ?私の貴重な春休み返しなさいよ!なんで一週間分を一日で消費しなきゃなんないのよ!」

『だから先に、一週間分空けとけよって言っただろうが』

「5泊6日の旅行だと思ったんだもん!
大体どこでそんなに時間が狂うのよ!」

『魔界』




…はい、分かりました


ええ分かりましたとも!!


「じゃあこんなに荷物持って来る必要なかったじゃない…」


私の手にあるのは勿論1週間分の必要なものが入ったキャリーバッグ
実はこいつを一日中コロコロしながら付いていったのだ

事前に言えよ


『とにかく魔界に戻るぞ
もたもたしてるとさらに休みが少なくなるからな』


にまっと笑うこの悪魔は
私がこうして種明かしされたときにワタワタするのを見るのが好きで言わなかったのだ

毎回同じような目に遭ってるのにそれを見越さなかった私も悪い



心底どSだ

何で私こいつの彼女になってしまったんだろう…



はっ!

そういえば今日…


「さらっと『俺の嫁』宣言されてたような…」

『俺はしてねぇ!あっちが勝手に誤解してただけだろ』

「でも訂正もしなかったじゃない」

『…ったりまえだろうが!』


そこでバチッと目線が合ってしまったもんだからしょうがない


さっきまでの威勢がどこかへ行ってしまって
視線をそらしてパッと二人して赤くなった



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