そうだ、異世界へ行こう
水の都の南国アクレイン
________...
「うわー!すっごく綺麗だね!」
眼前に広がるのは
コバルトブルーの海と蔦が絡まる小さな家々
そして、白亜のお城
異世界ってよりも
ヨーロッパのどこかの国に来たような感じ
ここまで来る間で
一回魔界を経由しなくてはならなかったんだけど
そっちはなんか刹那が直で城の中に私を連れてきたみたいで
外の景色とか全然分からなかった
どうやら刹那が魔界のお城に寄ったのは
今から行く国へお届け物をする品をここで渡されるかららしい
はぁ…これが今の刹那の仕事なのかな?
だからこんな簡単にお城へ入る事が許されてるのかな?
まぁ、とにかく
顔見知りらしい騎士の人からそれが入った掌に乗るぐらいの袋を預かった刹那は
私の腕を引っ張って、私をここへ連れてきたときと似たような呪文を唱えて
この石畳が綺麗な街のはずれへと降り立った
ちなみにリゾートだと聞いていたので(勝手に解釈したので)
今日の私の服装はマキシ寸の紺色ワンピと白のボレロだ
勝手な思い込みだが、リゾートと言えば白ワンピだと思う
でも白は持っていないのでボレロで我慢
べ、別に
お腹一杯料理を食べたいから締め付けない服装にしたんじゃないんだからね!
どうせだからなんか変わったもの食べたいとか、思ったりとかして無いんだからね!
見たことの無い植物やお肉があっても
誰かが食べてると欲しくなるよねとか、言わないんだからね!
ついでにデザートもとか…(以下略)
「どんなのがあるのかなー、でもまずはこっちの世界の人に会ってみたいなー」
髪の色とか瞳の色とか同じなのかな?
こっちでもイケメンさんとかいるのかな?
『そんなに会いたいんだったら会わしてやろうか?
俺の友達がこの間結婚したから、その奥さんだったら年が近いし気が合うんじゃね?』
「え?いいの!?すごーい!」
『…穂波は人見知りとかそんなの全然無いよな』
刹那が横で苦笑いを浮かべている