花咲く原石
もてなしの料理を食べながら２人は向かい合って座っている。

出された料理は温かく２人にとっても好みの味付けで終始和やかだった。

リトが手配してくれたお土産の茶葉も渡され、食べ終わった膳と共にもてなしを言い遣った女性は下がっていく。

「ごゆっくりどうぞ。」

そして部屋は２人だけになり、沈黙が生まれた。

遠くから楽しそうに騒ぐ声が聞こえてくる。

「賑やかだね。」

「…今日は宴があると言ってましたからね。」

シイラの呟きにオーハルが答えた。

部屋に案内される時に今日は宴を開く日だったので一緒にどうだと誘われたのだ。

シイラの目が輝いたのも束の間、オーハルはすぐさま断りの言葉を口にして２人は部屋で食事をすることになった。

別に騒ぎたかった訳ではないが、シイラとしてはもう少しリトたちと話していたい気持ちが強い。

仲間と言ってくれたのだ、それは当たり前の感情だろうとオーハルも分かっていた。

しかし結果としてシイラに嫌な気持ちを持たせてしまった。



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