花咲く原石
何の相談も無しに断った時は不満に思ったが、旅の間はオーハルに従うようにダイドンに言われていた為シイラは言葉を押し込んだ。

それでも数々の疑問を抱えた今はその気持ちも揺らぐ。

やはり納得がいかない。

今だけじゃない色々と、だ。

「シイラ、明日も早いです。準備をしてもう休みましょう。」

布団を広げながらシイラの方も見ずに黙々とオーハルは支度を進めていく。

いつもなら素直に従っていたが今のシイラは返事もせず、動く気配もなかった。

ただ黙ってオーハルの行動を眺めている。

今も彼はどこかよそよそしくないだろうか。

「シイラ？」

彼女の異変に気付きオーハルは顔を上げた。

「オーハル…今日はどうしたの？何か変だよ。」

「…そうですか？」

そんなことないですよ、よりも適当にかわせる言葉を瞬時に選んだ。

シイラが納得できてないことなんて分かっていても、向き合うつもりはない。

案の定、少し声を低くして彼女は話を続けてきた。



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