花咲く原石
「ここに来てから何かおかしい。…私が我が儘を言ったから?」
我が儘、そう言われて救われたような思いだった。
逃げ道が出来た。
シイラには悪いがその考えは有り難く頂戴したい。
しかしオーハルが口を開いて何か言おうとした時、その抜け道は閉ざされてしまった。
「でもそれだけじゃないよね。何か隠してる気がする。」
我が儘発言に便乗するために向けた視線は、奇しくも辛い状態でシイラに捕まってしまった。
絡まった視線はもう外せない。
シイラの指摘はさっきのリトとの会話のことだとすぐに分かる。
自分でも失敗したと思うくらいあからさまな態度と発言をしてしまったからだ。
やはりまずかった。
オーハルは何も言えず沈黙を貫くしか出来ないのだ。
「どうしてそんなに疑うの?これはダイドンの言っていた出会いかもしれない。私には…悪い人には思えない。」
この旅の先に、あるいは中に、シイラにとって素晴らしい出会いがある。
それを見逃してはいけないよ。
それは最後の夜にダイドンがシイラにくれた言葉だった。
「ねえ、オーハル。」
我が儘、そう言われて救われたような思いだった。
逃げ道が出来た。
シイラには悪いがその考えは有り難く頂戴したい。
しかしオーハルが口を開いて何か言おうとした時、その抜け道は閉ざされてしまった。
「でもそれだけじゃないよね。何か隠してる気がする。」
我が儘発言に便乗するために向けた視線は、奇しくも辛い状態でシイラに捕まってしまった。
絡まった視線はもう外せない。
シイラの指摘はさっきのリトとの会話のことだとすぐに分かる。
自分でも失敗したと思うくらいあからさまな態度と発言をしてしまったからだ。
やはりまずかった。
オーハルは何も言えず沈黙を貫くしか出来ないのだ。
「どうしてそんなに疑うの?これはダイドンの言っていた出会いかもしれない。私には…悪い人には思えない。」
この旅の先に、あるいは中に、シイラにとって素晴らしい出会いがある。
それを見逃してはいけないよ。
それは最後の夜にダイドンがシイラにくれた言葉だった。
「ねえ、オーハル。」