花咲く原石
「そうだな、どっちかってーと俺はこの中じゃ新入りの方に近いけど日が浅い訳でもないな。古株が多すぎるんだよ。」

「だからリトの若さが目立つんだね。」

成程そういうことかと納得した。

それでも古株でもないリトが人の上に立っている疑問は消えない。

さっきの人の年齢もリトと同じか上だろう。

リトが童顔なのだろうか。

様々な考えが頭の中に浮かんでは消える。

「どうしてリトが主なの?」

シイラは素直に自分の中にある疑問を投げかけた。

うーん、と視線を宙に投げて悪巧みを考える子供のような表情を浮かべる。

「前のボスに喧嘩ふっかけて勝ったから、かな。」

「喧嘩!?」

「そう♪ラッキーだろ。」

耳を疑うような事実を幸運のようにリトは笑って話した。

そういうものなんだろうかと不思議な感覚でリトを見つめる。

「まあ新参者の俺にも皆は良くしてくれたよ。」

リトの視線の先には宴を思い思いに楽しむ仲間がいる。



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