花咲く原石
「じゃあ、おやすみなさい。」

「おやすみ。いい夢を。」

忘れずに水筒を手にしてリトに微笑む。

「リト。」

名前を呼ばれてリトは目を少しだけ大きくすることで反応を示した。

「話が出来て良かった。色々とありがとう。」

悔いのない、シイラの別れの挨拶だとすぐに悟った。

「こっちこそ。約束、楽しみにしてるよ。」

あえてもう一度、未来への繋がりを口にする。

シイラは笑って頷いた。

そして歩き出す。

さっきよりも足取りが軽く、シイラはオーハルが待つ部屋へと戻っていった。



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