花咲く原石
一日はまだ始まったばかりだというのに足取りは少し重たかった。

「シイラ、急ぎましょう。時間がありません。」

「う…うん。」

オーハルは昨日までと違い切羽詰まったような雰囲気を出していた。

怒られたような気がして萎縮してしまう。

シイラは止めていた足を再び動かした。

相変わらずオーハルは前を歩いているが、何となく後ろから追い立てられているように感じる。

前から引っ張られてるというより後ろから急かされているように思うなんて変な話だとシイラは首を傾げた。

「変なの。」

それは自分に対しての呟き。

昨日、リトたちのアジトに寄ったことはそんなにロスを作ってしまったのだろうか。

昨日までとは違い世話しない感じを強く受ける。

いや、そうでなくても期限がある旅なのだ。

仕方がない。

時間がないのは分かるが、どうしても頭の片隅に残っている違和感が取れなかった。

やっぱりリトと出会ってから様子がおかしい。


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