花咲く原石
声を張ったシイラに促されて振り返る。
オーハルの視線をシイラは逃がさなかった。
少し遠い位置から強い眼差しがオーハルを捕らえて離さない。
「シイラ、足を止めないでください。」
今までの言葉を全て流すように扱う姿は、不都合な事から逃げるように見えた。
いや、実際にオーハルは真っすぐなシイラから逃げた。
「オーハル。」
そんな彼の名前を呼ぶ事で道を正す。
シイラは避ける事を許さなかった。
強い、強い眼差し。
視線だけの闘いを挑んでくるシイラに逃げ道を失ったオーハルは降参の意味を込めたため息を吐いた。
「…分かりました。とにかく足を止めないで下さい。前に進む事を条件に話します。」
後半、オーハルの目は決して逃げようとはしていなかった。
その目を信じて、何も言わずにシイラは再び歩き始める。
「そもそも…私達の本当の行き先は東ではなく、中央区でした。」
「中央区?」
オーハルの視線をシイラは逃がさなかった。
少し遠い位置から強い眼差しがオーハルを捕らえて離さない。
「シイラ、足を止めないでください。」
今までの言葉を全て流すように扱う姿は、不都合な事から逃げるように見えた。
いや、実際にオーハルは真っすぐなシイラから逃げた。
「オーハル。」
そんな彼の名前を呼ぶ事で道を正す。
シイラは避ける事を許さなかった。
強い、強い眼差し。
視線だけの闘いを挑んでくるシイラに逃げ道を失ったオーハルは降参の意味を込めたため息を吐いた。
「…分かりました。とにかく足を止めないで下さい。前に進む事を条件に話します。」
後半、オーハルの目は決して逃げようとはしていなかった。
その目を信じて、何も言わずにシイラは再び歩き始める。
「そもそも…私達の本当の行き先は東ではなく、中央区でした。」
「中央区?」