花咲く原石
それはシイラの中で色んな感情や記憶が飛びかっていることの表れだった。

何だろう、一体どういうことなのだろう。

必死に事を認識しようと記憶の隅々まで手を伸ばして解決の糸口を探る。

だって、オーハルもそうだが、ダイドンも言っていたではないか。

この旅の目的も目的地もずっと東区域にある最高の炉を目指すと話していたではないか。

それが全て嘘だったとしたら、2人して偽っていたということになる。

ダイドンも?

いや、ダイドンが偽っていたという確証はない。

目的地をオーハルが変えた可能性もある。

でも、そうじゃない可能性も。

「えっと…。」

頭の中がぐるぐるしてきた。

考えれば考えるほど分からなくなりそうだ。

疑うことだけに囚われたくない。

何か言葉にした方が頭が整理できるかもしれない。

オーハルの言葉が止まっている今、聞いてもいいのだろうか。




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