花咲く原石
あれから何の言葉も続けようとはしないオーハルはただ黙々と足を進めていた。
再び開きそうになった2人の距離を縮める為にシイラは慌てて彼の背を追いかける。
しばらく様子を見てシイラはオーハルに問いかけた。
「じゃあ…何の為に中央区に行くの?」
絞りだした声は微かに震えていた。
聞きたいことは山ほどある。
でも一番知りたいのは素直に最初から示さなかった行き先についてだ。
シイラが昨日初めて存在を知った場所。
今まで過ごした場所を離れなければいけなかった理由があるのだろうか。
誰も何も言わなかったけれど、シイラはもうあの場所には帰らないような気がしていたのだ。
「貴女を守るためです。」
少し間を開けてオーハルが答えてくれた。
思いの外強い声で。
「守る?…何から?」
強い意気込みを感じられる言葉だが、生憎とそうされる覚えがシイラにはない。
再び開きそうになった2人の距離を縮める為にシイラは慌てて彼の背を追いかける。
しばらく様子を見てシイラはオーハルに問いかけた。
「じゃあ…何の為に中央区に行くの?」
絞りだした声は微かに震えていた。
聞きたいことは山ほどある。
でも一番知りたいのは素直に最初から示さなかった行き先についてだ。
シイラが昨日初めて存在を知った場所。
今まで過ごした場所を離れなければいけなかった理由があるのだろうか。
誰も何も言わなかったけれど、シイラはもうあの場所には帰らないような気がしていたのだ。
「貴女を守るためです。」
少し間を開けてオーハルが答えてくれた。
思いの外強い声で。
「守る?…何から?」
強い意気込みを感じられる言葉だが、生憎とそうされる覚えがシイラにはない。