花咲く原石
03.白い境界線
無言で足を進めるオーハル。
険しかった道はやがて穏やかなものになっていった。
おそらく人里が近いからだと頭の片隅で理解しながら手と足を動かし続ける。
中央区がどんな所か分からないが、なんとなく物々しさというか異質な感じを受けた。
遠巻きに見ても分かる高い壁は他の者を寄せ付けない牽制のような強い意思を思わせる。
本当に、あそこに向かう理由は何なのだろう。
最初に姿を確認したときから見え続けている白い壁。
眩しすぎて距離感が分からなくなるほど存在感が強いのだ。
別の意味でもシイラには強すぎる存在だ。
足元に気を遣う部分が和らいできた分、思考がまた働き始める。
向かう意味。
まるで折りたたむ様に打ち切られた言葉の続きを聞きたい。
ザクザクと背の低くなった草を踏みながら確実に壁に近付いていた。
このまま流されるように向かっていいのだろうか。
オーハルを信じていない訳じゃない。
疑っている訳でもない。
険しかった道はやがて穏やかなものになっていった。
おそらく人里が近いからだと頭の片隅で理解しながら手と足を動かし続ける。
中央区がどんな所か分からないが、なんとなく物々しさというか異質な感じを受けた。
遠巻きに見ても分かる高い壁は他の者を寄せ付けない牽制のような強い意思を思わせる。
本当に、あそこに向かう理由は何なのだろう。
最初に姿を確認したときから見え続けている白い壁。
眩しすぎて距離感が分からなくなるほど存在感が強いのだ。
別の意味でもシイラには強すぎる存在だ。
足元に気を遣う部分が和らいできた分、思考がまた働き始める。
向かう意味。
まるで折りたたむ様に打ち切られた言葉の続きを聞きたい。
ザクザクと背の低くなった草を踏みながら確実に壁に近付いていた。
このまま流されるように向かっていいのだろうか。
オーハルを信じていない訳じゃない。
疑っている訳でもない。