花咲く原石
「オーハ…っ。」
背後から聞こえてくる声が弱々しくても今のオーハルに気遣う余裕はない。
このまま無理をしてでもシイラをあそこへ連れていく。
それしか考えていなかったのだ。
しかし。
「きゃっ!」
足を捕られシイラは転んでしまった。
オーハルはすぐに立ち止まって彼女の傍に屈む。
肩を上げて息をしながら小さく痛みを訴えていた。
「…あっ!」
うつ伏せに倒れた状態で胸ポケットの石を確認する。
手には確かに石の存在感があった。
安堵のため息をついてゆっくりと身体を起こしていくが、足はまだまだ調子を戻していないようだ。
シイラは歩くことさえも不安定になってしまった。
もうこの足場の悪い道を行くのは無理だろう。
それが分かった瞬間、オーハルは覚悟を決めた。
「シイラ、私達が向かう先を見て下さい。緑色の旗が見えますか?」
背後から聞こえてくる声が弱々しくても今のオーハルに気遣う余裕はない。
このまま無理をしてでもシイラをあそこへ連れていく。
それしか考えていなかったのだ。
しかし。
「きゃっ!」
足を捕られシイラは転んでしまった。
オーハルはすぐに立ち止まって彼女の傍に屈む。
肩を上げて息をしながら小さく痛みを訴えていた。
「…あっ!」
うつ伏せに倒れた状態で胸ポケットの石を確認する。
手には確かに石の存在感があった。
安堵のため息をついてゆっくりと身体を起こしていくが、足はまだまだ調子を戻していないようだ。
シイラは歩くことさえも不安定になってしまった。
もうこの足場の悪い道を行くのは無理だろう。
それが分かった瞬間、オーハルは覚悟を決めた。
「シイラ、私達が向かう先を見て下さい。緑色の旗が見えますか?」