花咲く原石
「っく…っ!」

吐き出すような悲鳴を上げ、オーハルはまた勢いよく地面に倒れてしまう。

「きゃっ!」

手を掴まれていたシイラも巻き込まれるように転びそうになる。

しかしオーハルが手を離したことでなんとか体勢を立て直した。

「お…オーハル?!」

自分の体勢が安定すると隣で倒れたオーハルに目を向けた。

彼の右太ももには矢が刺さっている。

おそらくさっきと同じ矢だ。

傷付いた足は小刻みに震えている。

もう立つことさえままならなくなってしまったようだ。

「オーハル…手当てしないと…。」

「逃げなさい…シイラ!門まで走れ…っ!」

傍に寄ろうとするシイラを諭すように睨みながらオーハルは叫んだ。

それは呪縛のようにシイラは動けなくしてしまう。

「何言って…。」

「狙われてるんだ!いいから逃げろ!」



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