花咲く原石
「よし、おまたせ。」

支えにしていた木から起き上がり、一歩進んでオーハルに近付いた。

気合いを入れて、さあ行こうとシイラが態度で促す。

「ペース配分に気を付けて下さいね。もう少し進んだら今日はもう休みましょう。」

両手で拳を握るシイラに安心し、オーハルは微笑んだ。

降ろしていた大きな荷物を再び担いで背負い直す。

よく見れば辺りは少し薄暗くなってきているようだ。

「結構歩いてたんだね。」

「身体は正直です。」

気が付かなかったという口振りのシイラにオーハルは笑う。

疲労が溜まった身体は確実に休息を求めていた。

「さぁ、もうひとふん張りです。」

「そうだね。」

シイラの笑顔を確認すると、オーハルは前を向いて歩き始めた。

あとに続くシイラの靴音が重なり、2人の周りは少し賑やかになる。

今日の休息場という、とりあえずの目的地を目指してまた進み始めた。



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