花咲く原石
まだ半分頭が眠っていたが、既に彼が活動を始めていたことは分かった。

しかしシイラは目を閉じたらまた眠ってしまいそうだ。

「駄目だ…起きなきゃ。」

身体にかけていた毛布をたたんで頭をおもいっきり横に振る。

振りすぎて頭がくらくらとしたが、それでも目は覚めたようだ。

丁寧に長く息を吐く。

「っよし!」

ちょっとした気合いを入れて、作業する音が聞こえる下に降りていった。

「さあ、どうぞ。」

待ち構えたようにオーハルは朝ごはんを手にして立っていた。

パンとチーズ、そしていくつかの果物が入っている器を渡される。

「果物?」

採れたての新鮮な果実にシイラは思わず疑問を口に出した。

でもすぐに可能性に気が付く。

「まさか、採ってきたの!?」

ちょうど水筒を渡しに来たオーハルに疑問をぶつけた。

「水を汲みに行った時に見付けました。甘くて美味しいですよ?」

当たり前のことのようにオーハルが微笑む。


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