花咲く原石
元気、な訳じゃない。

彼もまた息をきらしていたことをシーラは気付いていた。

「しまった。」

足を引っ張ってる。

早く前に進まなければさらに迷惑をかけてしまう。

こんな所で休む訳にはいかないのだ。

しかし。

「分かってるけど…動かないや。」

一度止まってしまった身体は安らぎを求めていた。

「困った…。」

今は自分にもオーハルにも休憩が必要なんだ。

もしかしたらこのまま動けなくなる可能性も否定できない。

小休止じゃなく、ちゃんと休まないと。

どこか火を焚ける場所か、野宿出来そうな場所にいかないとしっかりは休めない。

シイラは目で周りを見回したが、それらしい場所は見当たらなかった。

やっぱり、もう少し先に進むしか道がないようだ。

オーハルが戻ってきたら、すぐに出発しよう。

それまで少しでも体力が戻るようにシイラは少し休むことにした。



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