花咲く原石
背中で会話をしていたオーハルだが、シイラの言葉に思わず振り返った。

「エルフ…？」

疑いから目を細めて聞き返してみるが、シイラは強い眼差しのまま頷く。

「そう。」

シイラが冗談を言っているようには見えない。

ゆっくりと窺うように前を向き、オーハルは視線だけでリトに訴えた。

「ん？」

本物なのかという上から目線だが、リトはそんなオーハルの視線を受け流すように２人を見ている。

警戒心を剥き出しにしているオーハルとは正反対の涼しげな様子が余計にオーハルの神経を逆なでた。

「どうやら…お２人様、かな？」

尋ねるように、でも自己完結でそれは終わった。

シイラとオーハルは何も答えずにただリトを見ている。

やがてリトは合図をするように右手を掲げた。

それをきっかけに上空から次から次へと何人もの人間が降るように現れる。

「わっ！」

シイラはただ驚き口を大きく開けた。



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