花咲く原石
「えー…シイラと、…オーハル?」

確認するように名前を呼ぶと2人は僅かに反応を示した。

それだけで正解していたことが分かり、当たってたな嬉しそうにリトは笑う。

「もう夜が近い、良ければ俺達のアジトに招待したいが…どうだ?」

「リト!?」

思わぬ提案に2人は驚きを隠せなかった。

それはリトの仲間である彼女も同じだった様だ。

しかし彼女は反対する訳でもなく黙って様子を見守っている。

「え…?あの…。」

たまらずにシイラが声を漏らす。

何も反応を示さないオーハルも表情では驚いていた。

しかし背を向けられているシイラにはそれは分からない。

それ以前に自分の気持ちとリトの誘いで頭の中が忙しかった。

リトは一歩下がって膝を着き、シイラと目線を合わせる。

「せっかく会えた仲間だ。大した事は出来ないがもてなしをしたい。」

「仲間…。」

当然の様に口にしてくれた言葉に胸を打たれる。



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