【短】彼女の憂鬱
「ガキにはまだ、早いよなーって」
春兄は私を見下すように見る
「な、ガキっていうな!」
「え、キスだけであんな真っ赤な人が何を」
「………!」
キスだけって……あんなの!
恥ずかしさと難しさと色んな顔をしてる私を、春兄は優しく頭を撫でる
「いいの美波はそれで。これ以上は逆につらいし」
「……そうなの?なんで?」
「んー……こっちの事情」
また、わけわかんなかったけど
春兄の笑顔が、いつもの優しい優しいのに戻ってたから、それで私が満足だった
「ほら、勉強すんぞ」
「………」
正直まだそんな気持ちに戻れてなかったけど、春兄の向かいにちょこんと座る