お医者さん嫌いなのに・・・
目が覚めて、何時だろう?って時計をみたら、1時だった。
ちょっと、トイレに行こうって思って、部屋の外に出たら
岩本先生がこっちに歩いてきてた。
「美奈ちゃん?どうしたの?こんな時間に・・・」
「ちょっと、トイレに行こうと思って・・・」
「大丈夫?一緒にいこう」ってトイレの前まで一緒にきた。
トイレから出たら、先生が待っててくれて、部屋まで一緒に帰った。

「さぁ、ちゃんと寝ようね。熱は下がったかな?」って、おでこに手をあてて「だいぶ下がってるね。よかった。」
「眠たくないから、少し、起きててもいいですか?」って聞いたら、
「だったら、診察しよう。熱計ろうか?」って、言って、体温計と聴診器を白衣のポケットから出した。
「えっ。いや。」って言ったら、
「美奈ちゃんは、どうして、そんなに嫌がったり、怖がるのかなぁ?」
「いっつもお医者さんに、注射とか点滴とか痛いことばっかりされるし、怒られるし・・・」
「そっか、注射嫌いだよね。俺も、注射痛いし、嫌いだよ。痛いだろうなって思ったら、注射するのも嫌いだよ。でもね、泣かれても嫌がられても、早く元気になってほしいからね。」
「注射が世の中からなくなればいいのに・・・」
「ははっ。そうだね。そしたら、苦ーい薬ばっかり飲まないといけないかもしれないよ?」
「先生の意地悪。薬だって、苦くないの作ればいいのに・・・」

しばらく、先生と話をしてたら
「美奈ちゃん、笑顔が出てきたところで、熱だけ計ろ?」って体温計を脇に挟まれ、しばらくしたら鳴った。
「7度5分。微熱だね。このまま、下がってくれるといいね。もしもし、ちょっとだけさせてね・・・(聴診器を当てられ)スーハーして・・・はい、いいよ。」
「何もしない?」
「うん?もうしないよ?眠れるかな?」
「うん」
「じゃあ、おやすみ」って先生は部屋を出て行った。
< 20 / 142 >

この作品をシェア

pagetop