年下男子に要注意!?~俺様系小悪魔男子~
一瞬前が見えづらくなって・・
何秒か経つと
やっと見えた。
「・・・・氷野・・・先輩」
広い広い屋上の真ん中で、先輩は私達のことを待っていた。
風が少し強くて少し寒そうにしながらも、こっちを向いて微笑んでいた。
「七海ーーーー!!加瀬くん!・・寒いって!」
氷野先輩が大声で叫んだ。
「ごめんなさーーい!!氷野先輩!!急に呼び出したりして!!」
「いいけどさーーー!!こんな大声で喋るより、近くに来て話そうぜーー!」
そう言って手招きをする氷野先輩。
先輩の表情がまだ少し確認できるほどのこの距離でしか
私は言う覚悟ができなかった。
・・・近くに言ったら、私はまた氷野先輩の優しさに漬け込んでしまいそうだから。
ここで・・・。言おうと・・決めました・・・。
「・・・せんぱーーい!!そのままで聞いてくださーーーい!!」
・・先輩は少し不思議そうな顔をして
「わかったーー!」
と言ってくれた。
・・・まだその顔は笑っていて
いつもの、私の好きだった氷野先輩だった。
・・・・・それを
壊してしまう自分はどうしようもなく酷く、馬鹿な奴かもしれないけど
・・私の心はもうそのまま動くことはなかった。