年下男子に要注意!?~俺様系小悪魔男子~
「風。あの時よりもずっと冷たいね」
そう照れながら過去の話をし始めた。
「そうですね・・。あの時は俺、七海先輩を振り向かせたくて必死だった」
「あの頃は、強引過ぎてた」
少し膨れた私を見て綾斗は笑った。
「でも、それでよかったんじゃないかなぁって思ったりします。だって、実際今こうやって俺の後ろに七海先輩がいるわけだから」
嬉しそうな顔で言う綾斗は可愛い。
「私もそれでよかった。それから、自分の気持ちを信じてよかった」
あらためて振り返れば、何やってたんだろう。とか
あの時どうしてとか、あの時なんでとか。
そんなことを思うことは多い。
でも結果。私達はこうして2人でいる。
それを人は「運命」と呼ぶかもしれない。
この結果は決まっていたこと。
定められていたこと。
でもそれは少し間違っている。
私達が出会わなかったら、綾斗と話すこともなかっただろうし。
あの時、綾斗が私をナンパから助けてくれなかったら今頃私は・・・。
そう考えていくと、最終的に
私達は間違ってなかったって思える。
そうでしょ?
綾斗。
「先輩が考えてること。俺も考えてました」
「・・へ?」
「フフ・・。今考えてたことですよ。それ、俺も同じです」
「え・・・・。なんで?なんで言ってないのに伝わったの?」
「繋がってるから。・・ですかね」
「・・・じゃあ。今何考えてたか言ってみて」
「・・・・いいんですか?」
「うん」
「・・・・キスして欲しいんでしょ?」