年下男子に要注意!?~俺様系小悪魔男子~
「何で黙ってんの・・・言えないんだったらとっとと離して!!!」
そっちこそ・・・・俺のこと・・・ちゃんと見て・・・。
そう心で訴えた上・・。七海先輩の手に更に力を入れた。
このまま俺は七海先輩を抱きしめて・・。
「ごめん・・」って言いたい。
でも・・・でも・・・・。
先輩は、そんなこと・・・・・望んじゃいなかった。
「・・・・なな・・・・」
先輩の名前を呼ぼうとした時には・・。
もう・・心が崩れかけてた・・。
・・そして
「外で!!!!氷野先輩が待ってるから!!!・・・・っ・・離して・・・・」
気づいた。
最後に目を合わせてくれた君の目は
ほらまた、冷たい目をしてる。
もう俺は必要ない。
優しくて、かっこいい氷野先輩がいつでも七海先輩を守ってくれるから。
七海先輩は安心だ。
・・・俺は必要ない。
いや、今までも、これからも。
俺は・・・・。
引き止めることもできないまま、俺は七海先輩の背中をただ・・・見つめていた。
こんなに恋って・・・・悲痛なものなのか?
こんなにも思い通りにいかないものなのか?
誰か
俺に・・・恋を教えて・・・。
そう思った瞬間、走馬灯のように先輩の笑顔が
俺の頭を駆け巡る。
「・・先輩・・・・・」
そして1つ。涙がこぼれた。
その涙は、先輩の笑顔を滲ませ・・・俺に1つの希望をくれた。
「・・・教えてもらうんじゃなくて・・・・・・俺のやり方でも・・いいのかな・・・・」
そう思った。
安易な考え。
俺らしい、今の状況には考えられない思い。
でも、もう実際、このままではいられない。
体が・・・・何かを追いたくてたまらない。
もう泣かせてもいい。
怒らせてもいい。
嫌われたっていい。
憎まれたって全然いい。
だったら
本当のけじめは
この馬鹿な男の、浅はかな考えでぶつかればいい。
そう背中を押してくれたのは
他でもなく
先輩の笑顔だ。
先輩の笑顔のためなら、俺はなんだってできる。
だから
本当のけじめ。
間に合うのなら
俺は・・・・走るよ。