年下男子に要注意!?~俺様系小悪魔男子~
君にごめん。
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「なんか・・少し肌寒くなってきたかな」
「そうですね・・。上着貸しますよ」
「ううん。大丈夫」
少し寒く感じたのは、学校に着き自転車を降り、君から離れたから。
・・でも、校庭に咲く桜の木は、あの頃と違って
老けていた。
「・・出合った頃は満開で、まさに春。恋の季節みたいな感じでしたよね」
「何言ってるの///女子みたいに」
「いいじゃないですか。もう・・・。過去をこうやって、2人でさかのぼれて嬉しいんです」
「・・綾斗」
「今の俺達。ドラマみたいな日々を送ってると思うんですよ。・・でも、これが俺達の毎日だから・・。愛おしいんだ・・」
「・・・ねぇ。さっきから・・ロマンチストっぽいこと言ってない?」
「えぇ。言ってますよ。夢だったんですよ。こんなこと言うの」
「そうなの?」
「はい。・・・七海先輩だけに」
そう言うと、優しく後ろから私を抱きしめてくれる綾斗。
「こんなことも・・・ずっとしたかった」
私の髪の毛をそっと嗅ぎ。
耳元で囁く。
「暖かい?」
「・・・うん」
横を通り過ぎる生徒達が、こっちを見ているのにも関わらず
綾斗は私をしっかりと抱きしめてくれる。
「先輩。恥ずかしくないの?」
「・・もういいの。・・・・別に・・この関係を隠したいわけじゃないから。・・もう堂々と綾斗にこうしてもらってもいいかな・・なんて考えてる自分もいるから」
・・もちろん。
氷野先輩や美香子には、こう堂々とする資格なんてないけど。
自分の今の気持ちを優先したい。
こうやって素直に態度で表してくれる綾斗みたいに。