Black cat
――キーンコーンカーンコーン…
急いで行こうとしたが、もう手遅れだったようだ。きっと蓮斗はギリギリ平気だっただろう。
今から行ってハゲセン(担任のあだ名)に説教されるのはかなり気が引ける。
いっそサボろうと思い、蓮斗にメールを送る。
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裏切り者。
サボるからハゲセンに
適当に理由言っとけ。
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ケータイを閉じ、考える。
サボると言ったはいいが、今の時刻はまだ9時にもなっていない。
店だってあまり開いていないだろうし、第一この制服ではどこにも行けないじゃないか。
また家に帰るのだって、ただ往復したバカな奴になるのはゴメンだ。
我が儘な考えから出てきた答えは結局、“寝る”だった。