嘘つきな君からのキス


今、重要に思う事ではない。思うならば前回であった筈だ。

それなのに今聞いた。いや、聞いてしまった。


「何って?」


横槍の入らない今なら。と。


「知ってる風に、話すから……」

「知らないないよ。何も」


とん。と前の席に凭れ掛かる。

思わぬ返答に更なる追求をしようとしても遮られるだけ。


「三神の考えてる事は知らない。いつも分かんない。」


それは本当の言葉。普段とは違って陽気でもない。

そこから、もう一つ続いた。


「ただ、三神は嘘つきだから信用してあげて」
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