嘘つきな君からのキス
うん、と私の言葉に頷きを見せる。
「そうだね。そうだった」
鳴瀬くんが何を言いたいのか分からなくなってきた。何処までが本当なのかも。
頭にいくつも飛ぶハテナマークを拭いとれない。
「深く考えなくてもいいよー。頭の隅っこに置いておけばいいからー。あんまり気にすると振り回されちゃうし、三神の本心わかんなくなっちゃうから」
「う、うん?分かった」
納得しきれていないながらに頷き、そんなので大丈夫なんだ。と肩の力を抜いた時だった。
朝特有の静けさに、窓が開く音と入ってくる風。
「何それ」
連れてやってきたのは話の中心人物。
「み、みか……っ!?」