嘘つきな君からのキス
唇に
―――
朝から体がだるい。
昨日良く眠れなかったからだろうか。
目を閉じると昨日の光景が浮かんでくるのだ。だから目を閉じたくなかった。眠れなかった。
「おっはよー!玲雨!……って、目の隈ヤバくない?」
「おはよ……朱。よく眠れなくて……」
と言うと、朱の表情は曇った。
「眠れなかったって何?玲雨すぐ倒れるんだからちゃんと寝なきゃだよ?」
分かっている、自分の体だ。でもどうしようもなかった。
「朱……」
どうしようもなかったのだ。
「朱ぁ……」
「え、何、ちょ、何で泣いてんの?朱さんに話してみ?」
悲しい、多分私はとても悲しいのだ。こんな結果を生み出してしまっている事を想像していなかった。
だって、そういう関係だったのだから。
私は自意識過剰だったのだろうか。